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       Eietsu Tamura

      ENIACと同年齢の水瓶座。日本IBMに入社以来、原子力、自動車のCAE、21世紀になってライフサイエンスとHPCの主な活用分野に関係してきた。ただIBM SP1までは直接マシンに触ってきたものの、ここのところはThinkPadとiMac/iPhoneに触るのが関の山、もっぱら応援団に回っている。
      出身が核物理の実験屋なので雀100まで—気持ちはScientistのつもり。2008年末に日本IBMを卒業。
      シャロー・コンピューティング LLP, 代表パートナー、他 (現在)
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● Top500 Listはなぜ500

・今日・明日の二日間、理研シンポジウム 「スーパーコンピュータの最新動向」が和光の理化学研究所でおこなわれています。

・最初のスピーカーが、1993年にTop500 Supercomputing Siteを創設したマンハイム大学のハンス・モイヤー教授でした。彼はすでに1986年からマンハイム・スーパーコンピューティング・スタティスティクスという統計を発表していました。これを改善しデータ源として重要なアメリカからジャック・ドンガラ教授とホルスト・サイモン氏に協力をお願いして、1993年にLinpackベンチマークでの性能のみを指標とした現在のTop500リストを開始したと開始当時の状況を話しています。

・なぜTop500にしたかというと、当時フォーブス500で代表されるようにランキングのリストでは500を使うことがかなり一般的だったのでTop500にしたそうです。

・今日の講演で使用したパワーポイントはISC07のサイト( //http:www.isc07.org/top500_tokyo_slides )からダウンロードできますが、Top500について非常に良い資料にまとめられています。

・年二回ある更新ごとに、競争の結果180システム程度がランクの外にドロップしているとも話していました。

教授は日本勢が元気のあった1993年のTop500リストと、最近の2006年のTop500リストを並べて示していましたが、その差にいまさらながら軽いショックを受けます。不断の実行だけでなく、勝つためのクールな中長期戦略がいかに重要かということを示す例のひとつでしょう。